在宅ケアスタッフを守るための諸外国での暴力防止教育プログラム

諸外国の在宅ケアスタッフに対する暴力防止教育プログラムの内容を紹介します。

(1)Ostromらのプログラム

(Oostrom JK;, van Mierlo H. An evaluation of an aggression management training program to cope with workplace violence in the healthcare sector. Res Nurs Health. 2008;31:320-328.)

プログラムは、(a)アサーティブネス(自己主張)と攻撃性のある人への洞察,暴力行動や人への認知について、(b)攻撃的な人との相互作用への洞察、これら攻撃性のある人における相互作用のスタイルの効果,(c)潜在的に脅威となる状況の発生を防ぐことを助けるテクニックの3つのパートで構成されている。

【プログラムの内容】

各パート4時間で2-3週間毎に実施する.

  • パート1:アサーティブネス、非言語的コミュニケーション,異なるコミュニケーションスタイルに関する演習・参加者は、訓練中に取り組みたい、あるいは解決したい個人的問題や疑問を見つける
  • パート2:フィードバック、地位,対立状況の取り扱いに関連する演習・参加者は、ロールプレイによって個人的問題に取り組む
  • パート3:専門の役者によるロールプレイを通して実際の行動の演習

【プログラムの効果】

  • ・アサーティブネスと攻撃性への洞察は、プログラムの参加によって向上し,その後,維持される
  • ・アサーティブネスと攻撃性への洞察は、対立する状況への対処能力に影響を与える
  • ・対立する状況への対処能力はプログラム参加によって向上し、その後も向上を続ける
  • ・プログラムは時間経過とともに、チーム機能より洞察や対処能力に影響を与える
  • ・プログラムは、チーム機能の向上と比較して、洞察、対処能力の向上に影響を与える


(2)Sylvesterらのプログラム

(Sylvester BJ, Reisener L. Scared to go to work: a home care performance improvement initiative. J Nurs Care Qual. 2002;17:71-82.)

【プログラムの内容】

訪問スタッフの暴力の認識と経験から作られた、「新たな同意書(武器の存在,危険な動物、違法薬物、職員への言語/身体的暴力)従えない場合契約の終了)の作成」,「訪問の安全へのヒント (訪問準備:コミュニケーションと準備の注意点、移動時の注意点、訪問時の注意点)の提示」に関する教育プログラム。

【プログラムの効果】

  • ・訪問時に安全と感じる
  • ・事務所に危険を減じる手段があることを知る
  • ・安全を高める介入への理解が深まる
  • ・安全に関する施設への信頼が改善する

引用文献

川崎絵里香、矢山壮、的場圭、三木明子、諸外国の在宅ケアスタッフに対する暴力のリスクアセスメントツールと暴力防止プログラムの評価・産業精神保健(2018).26(3):260-265.

作成者:川崎絵里香(研究協力者)